虫と農業と私①
静岡の東部にある伊東という町で育った私。
観光が主な産業で、田舎だけれども長野の田舎とは違う。長野に来るまで畑や田んぼに入ったことはありませんでした。
会社員時代に登山を始め、体を支えるために地面に手を付けるにも一瞬ためらってしまう自分に気がつきました。手を汚さずに済むように指先でちょっとバランスをとるだけにしてみたり。
紆余曲折あって農家に研修に行き始めたとき、本当に虫に触るのが嫌でした。
イヤっていうか体と心が拒否すると言うか、見れば悲鳴を上げるし、そんなこと言っていられないとわかっても特にヨトウムシの見た目と大きさと感触がいやで、枝を箸のように使ってつまんだり。予想外にブロッコリーの茎の間にいるヨトウムシを見つけると、半日テンションが下がったり。
(どんなのか見たい方は画像検索してください。オススメはしませんが。。。)
3年経ってカブラハバチの幼虫は素手でつぶせるようになったけど、ヨトウムシ、アオムシの類いは未だに手袋越し、どうしてものときはなるべく接触面積&時間を少なくするために手のひらの上で羽子板のようにバウンドさせながら運びます。
私は決してきれい好きではなく、犬や猫の毛を汚いとは思わないし、家に帰ってもよっぽど汚くない限り手を洗わないし、カルフォルニアの乾燥した気候の中でキャンプをしたときは3日間お風呂に入れなくても「こんなに乾燥しているなら1週間お風呂に入らなくても全然平気。むしろ楽!」と思うような超ズボラ人間です。
登山、沢登り、ロッククライミング、スノボ、スキーもちょっとやったし、アウトドアと名のつくものは大抵好きな人間です。
そんな私ですら農業を仕事にする前は土に抵抗があり、農業に関わるようになって3年経っても未だに虫に抵抗があり、この先も慣れることはあっても苦手な気持ちがゼロになる日は来ないような気がします。
では、かつての私のように農村とは遠い場所で生活してきて、これから先も自分で農業をやる予定がない人にとって土や虫は一体どんな存在なんでしょうか。
続きます。